校長だより

本日、午前中に始業式、午後に入学式を挙行しました!

本日は午前中に在校生(2、3年生)の1学期始業式をオンラインで実施しました。そして、午後は一学年だけですので入学式を体育館で挙行しました。天気にも恵まれ、生徒の皆さんも気持ちよく新学期及び高校生活をスタートさせることが出来たのではないでしょうか。以下は、始業式及び入学式で私が話した内容です。

【始業式】

前任の井上校長先生の後を受けて、この4月から校長になりました山下です。よろしくお願いします。さて、在校生の皆さん、この2年間は、本当に大変な日々を過ごしてきたと思います。それまで当たり前だと思っていたことが、新型コロナウイルスの対応で出来なくなりました。当たり前に学校に行く、当たり前に部活動をする、当たり前に友だちと遊ぶ、それに制限がかかり、今でも以前と全く同じに戻った訳ではありません。そんな中で、当たり前の大切さをしみじみと感じてくれているのではないでしょうか。もう一つ、 誰かのために頑張る、誰かのために我慢することの大事さも実感してくれていると思います。同居する祖母に感染させてはいけない大切な人のために今はじっと我慢ですと言った先輩がいます。そんな日々を送ってきていたのではないでしょうか。当たり前は当たり前ではないこと、誰かのために頑張ること、この二つについて、皆さんに話をしたいと思います。

今から11年前、2011年、平成23年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9の大地震が東北地方を襲い、多数の死者・行方不明者が出ました。東日本大震災です。その地震が起きた二カ月後、府庁の職員をしていた私は、岩手県に三週間、被災地支援に行きました。そこでの私の仕事は、毎日毎日、避難所を回って、必要な支援物資を届けることでした。避難所で知り合った二十代の男性に、大阪に帰る直前にこんな話をしました。「大阪の高校生に何か、伝えたいことはありますか」彼は「今を大切に生きて欲しい」、「今できることに精一杯取り組んでほしい」と言いました。なぜそんなことを言うのか。彼には高校時代から付き合っている彼女がいました。五年以上付き合って、二人とも結婚を意識していて、そろそろプロポーズをしようと考えていたそうです。明日しよう、…でも仕事が忙しくて、また明日にしよう、…でも友人との遊びに行くのを優先して、そして、三月十日の夜、明日の仕事が終わった後にデートすることになってる、夕食を食べることになってる、その時に言おう…と思っていたら、あの大地震が起きました。彼女は津波にさらわれてしまいました。彼は悔やんでも悔やみきれないと言います。当たり前の日々は当たり前ではないこと。当たり前ではないからこそ、今を大切に。今出来ることにしっかりと取り組んでほしい。被災地で出会った人の話をもう一つします。現地には、大阪からも多くの人が支援に来ていて、そこで出会った高槻市の職員さんがこんな事を言われていました。「私の仕事は戸籍や住民基本台帳の復元です。全ての戸籍や住民票の台帳が津波で流されたので、現地の人に聞き取りをして、一から名簿を作り直してます。被災した沿岸部には宿がないので、内陸部の宿舎で寝泊まりしてます。朝の五時に起きて、六時には宿舎を出て、八時前には被災地の仮庁舎に入り、夜の十一時まで仕事をします。肉体的には大変だけど、誰かの役に立っていると思うと、頑張れます」他にもたくさんの支援者と出会いましたが、皆さん、「誰かを支えている、誰かの役に立っていると思うと、元気が出てくる、頑張れる」と言われていました。そうです、人間は自分のためだけでなく、誰かのために頑張ったり、誰かをを支えようとした時こそ、はるかに力を発揮できるのです。

在校生の皆さんにお願いします。どうか、今という時間を大切にしてください。今しかできないことにチャレンジして、今を大切に過ごしてください。そして、誰かを支えて、誰かの役に立つことで力を発揮してください。以上で私からの式辞を終わります。

 

【入学式】

今週に入り、暖かい日が増え、春の息吹を感じる今日このごろです。校庭の木々も芽吹き、皆さんの入学を祝うように、良い天気となりました。53期生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者の皆さまにおかれましては、お子様のご入学、本当におめでとうございます。本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来賓もご遠慮いただきましたが、各方面からお祝いのメッセージをいただいております。メッセージはボードに掲示しておりますので、ご覧いただければと思います。

  さて、新入生の皆さん、この2年間は、本当に大変な日々を過ごしてきたと思います。それまで当たり前だと思っていたことが、新型コロナウイルスの対応で出来なくなりました。当たり前に学校に行く、当たり前に部活動をする、当たり前に友だちと遊ぶ、それに制限がかかり、今でも以前と全く同じに戻った訳ではありません。そんな中で、当たり前の大切さをしみじみと感じてくれているのではないでしょうか。もう一つ、 誰かのために頑張る、誰かのために我慢することの大事さも実感してくれていると思います。同居する祖母に感染させてはいけない、大切な人のために今はじっと我慢ですと言った先輩がいます。そんな日々を送ってきていたのではないでしょうか。当たり前は当たり前ではないこと、誰かのために頑張ること、この二つについて、皆さんに話をしたいと思います。

今から11年前、2011年、平成23年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9の大地震が東北地方を襲い、多数の死者・行方不明者が出ました。東日本大震災です。その地震が起きた二カ月後、府庁の職員をしていた私は、岩手県に三週間、被災地支援に行きました。そこでの私の仕事は、毎日毎日、避難所を回って、必要な支援物資を届けることでした。避難所で知り合った二十代の男性に、大阪に帰る直前にこんな話をしました。「大阪の高校生に何か、伝えたいことはありますか」彼は「今を大切に生きて欲しい」、「今できることに精一杯取り組んでほしい」と言いました。なぜそんなことを言うのか。彼には高校時代から付き合っている彼女がいました。五年以上付き合って、二人とも結婚を意識していて、そろそろプロポーズをしようと考えていたそうです。明日しよう、…でも仕事が忙しくて、また明日にしよう、…でも友人との遊びに行くのを優先して、そして、三月十日の夜、明日の仕事が終わった後にデートすることになってる、夕食を食べることになってる、その時に言おう…と思っていたら、あの大地震が起きました。彼女は津波にさらわれてしまいました。彼は悔やんでも悔やみきれないと言います。当たり前の日々は当たり前ではないこと。当たり前ではないからこそ、今を大切に。今出来ることにしっかりと取り組んでほしい。高校生になった皆さんにとって、「今出来ること」「今しなければならないこと」とは何でしょう。それは一つは勉強。一人ひとりが高校生としての自覚を持ち、将来の夢を実現するために、頑張ってほしいと思います。もう一つは、部活動です。これは高校時代しかできない。ぜひ、何か部活動に入って、多くの仲間とともに、高校生活を前向きに送ってほしいと願っています。被災地で出会った人の話をもう一つします。現地には、大阪からも多くの人が支援に来ていて、そこで出会った高槻市の職員さんがこんな事を言われていました。「私の仕事は戸籍や住民基本台帳の復元です。全ての戸籍や住民票の台帳が津波で流されたので、現地の人に聞き取りをして、一から名簿を作り直してます。被災した沿岸部には宿がないので、内陸部の宿舎で寝泊まりしてます。朝の五時に起きて、六時には宿舎を出て、八時前には被災地の仮庁舎に入り、夜の十一時まで仕事をします。肉体的には大変だけど、誰かの役に立っていると思うと、頑張れます」他にもたくさんの支援者と出会いましたが、皆さん、「誰かを支えている、誰かの役に立っていると思うと、元気が出てくる、頑張れる」と言われていました。そうです、人間は自分のためだけでなく、誰かのために頑張ったり、誰かをを支えようとした時こそ、はるかに力を発揮できるのです。

新入生の皆さんは、当たり前の日常生活の大切さと誰かの為に頑張ることの大事さを充分実感してくれているものと思います。その上で、再度、皆さんにお願いします。どうか、今という時間を大切にしてください。今しかできないことにチャレンジして、今を大切に過ごしてください。そして、誰かを支えて、誰かの役に立つことで力を発揮してください。三島高校の3年間で皆さんは様々な友人や先輩、後輩と出会います。誰かの役に立ったり、誰かを支えたり、逆に誰かに支えられたり、という経験をします。そんな中でこそ、あなた自身がこれまで以上に成長できるのではないでしょうか。今を大切に生きて、誰かのために力を発揮する皆さんが5年後10年後に幸せになれるように、三島高校の先生は、皆さんとしっかりと向き合い、時には厳しく、時には優しく寄り添っていきます。皆さんがこれから本校で学び、やがて卒業する時には、それぞれの夢の実現に向けて大きく前進していることを期待して、私の式辞といたします。

始業式と入学式、殆ど同じ話です。私から生徒の皆さんに伝えたいことはそんなに多くはありません。だけど、必ず伝えたいこととして、これらの被災地での話を事ある毎にしていきます。

 

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