校長だより

着任式・始業式・クラブ表彰

本日(8日)午前は着任式・1学期始業式・クラブ表彰を行いました。いよいよ新学期のスタートです。11名(教員及び事務職員)の新しいスタッフを迎えて、三島高生の為にしっかりと教育活動に取り組んでいきます。式で私が話をしたのは以下のような内容です。

『おはようございます。春休みを皆さんはどう過ごしましたか。部活部活部活、それとも進路実現に向けた勉強?もちろん、両方とも頑張った人も多いでしょう。私からは今日は二つ話をします。まず、一つめ。先週の月曜で元日に発災した能登半島地震から3カ月。友人が3月末に被災地支援に行っていたので、話を聞きました。彼は金沢まで電車で行き、そこで車で半島突端の珠洲市へ。被害が大きかった地域です。道沿いにはまだまだ手付かずの半壊や全壊の家々。正直、「復興はほとんど進んでいない!」と実感したそうです。瓦礫の撤去場所にも積み上げられた瓦礫が少ない。なぜかわかりますか。まだ、全壊や半壊の家がそのままだから、瓦礫にもなっていないのです。電気は来ていますし、ガスはプロパンガスなので何とか復旧していますが、断水は続いています。特に下水道の復旧が出来ていないので、トイレを流せない。下水が復旧しないと上水も復旧できないそうです。仮設住宅の建設もまだ進んでいません。被災地には高齢の方が多く、ある86歳と81歳のご夫婦は、避難所での生活が馴染めず、未だに半壊の家、1階がつぶれていても2階に住めるようで、そこで暮らしておられるとのこと。もちろん、断水しているので、食事も支援のパンなどでやり過ごされています。珠洲市では、再度、住民の皆さん対象に全戸調査を行っており、被害状況の把握につとめているそうです。私自身の東日本大震災支援の経験から言っても、発災から3カ月ではまだまだ復旧には時間がかかります。友人は言います。「高校生の皆さんに今すぐできることは少ないと思います。それでも二つお願いしたい。一つは関心を持ち続けること。新聞やテレビなどの報道を通じて、被災地の今に関心を持ち続けてください。もう一つは、募金や北陸の物産を購入することで間接的に支援を行うこと」。二つめは、「俯瞰でものごとを捉えるということ」について。高校時代の先輩にこの春休みにお会いしました。彼はよく私に「俯瞰でものごとを考えろよ」と言ってくれていました。俯瞰の俯は、にんべんに大阪府の府で、意味は「うつむく、上体を前に曲げる」。俯瞰の瞰は、目へんに敢闘賞の敢と書いて、意味は「見下ろす、遠くを眺める」。俯瞰とは、全体を見渡すとか、客観的に物事を見るということになります。先輩の教えを守って出来るだけ意識して俯瞰で考えるようにしました。例えば、部活で上手く技術が上達しなかったり、人間関係で悩む時ってありますよね。そんな時に人間は「自分だけがしんどい」とか、「誰もわかってくれない」とか思いがち。でも、俯瞰で考えよう、もう一人の自分がいて、今の状態をどう捉えているか考えようと意識すると、不思議に気持ちが楽になりました。今の状況はどん底。これからは上昇するしかないやんとか、相手も実は同じように悩んでるんやないかとか、このピンチを乗り越えたら自分は一回り成長するんちゃうかとか、そんな風に考えることができるようになると、不思議と気持ちが落ち着いてきました。私の師匠である内田樹先生も「ある程度長い時間を俯瞰する視座にたつ」ことの重要性を話しておられます。今の目先のことにとらわれると、先々失敗する、損をする、そうじゃなくて長い時間を俯瞰すると今すべきことが見えてくるという訳ですね。ある程度長い時間を俯瞰で捉えることができないと成熟できない。俳優の佐藤健さんも今公開されている映画「四月になれば彼女は」舞台挨拶でこんなことを言っています。「20代はなんとなく頑張っていたんです。今は、もうちょっといろんなことが俯瞰で見えるようになって。この方向に全力出したら、もっと遠いところに行けるなっていうのがわかるようになりました」。どうか皆さんもこの一年、俯瞰でものを考えるということを意識してみてください。3年生はいよいよ進路を実現するための一年です。2年生は、後輩が入って来ます。先輩としてしっかり三島の良き伝統を引き継いでいってください。悔いの残らないように日々を過ごし、卒業・進級、そして夢の実現に向けて頑張ってください。』

式の後はクラブ表彰。今回も女子ソフトボール部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部を表彰できました。やるなあ、三島高生!

PAGE TOP