1月9日(火)、3学期始業式を体育館で挙行しました。以前もお伝えしましたが、本校体育館には空調がありますので、何とか寒さを凌ぎながらの式でした。1日から続く地震の事に触れながら、以下のような話をしました。
〈皆さん、お早うございます。そして、明けましておめでとうございます。年末年始は、どのように過ごしましたか。年頭に当たって三つほどお話をします。まず一つめ。今年は元旦から大きな地震が起きて大変なスタートになりました。1日午後4時10分、私は大型スーパーの4階にいたのですが、ゆっくりと建物が揺れて驚きました。週末に小学校中学校時代の友人が金沢に住んでいるので、連絡しました。「とてつもなく揺れた。自分たちは幸い無事だった。今はまだ、個人の支援は待って欲しい」とのこと。帰省で帰った人もいて、被害も拡大したようです。全国からの救助支援活動は続いています。この高槻からも消防の方々が1日夜に支援に出発。警察・自衛隊・行政の職員が支援に駆けつけています。東日本大震災の時もそうでしたが、個人の支援はもう少し時間を置いてから。支援物資を送っても今は対応出来ません。いろいろな新聞やテレビの報道をしっかり見て聞いて、個人の支援が出来るタイミングになれば、自分は何が出来るかを考えてみてはどうでしょうか。もちろん、既に募金活動は始まっていますから、そこから支援をスタートさせるのもありです。そんな中でやはり気になるのは、SNSでの偽情報の報道です。3日4日の新聞では、こんな記事が出ていました。『X(もとツイッター)には1日以降、「崩れた家の下敷きになっていて動けない」といった救助要請が、具体的な住所と共に多数投稿された。一部は親族らによる本物の要請だったとみられるが、多くはそれをまねた偽情報だった。「地震は人工地震の可能性がある」「外国人窃盗団が現地に向かっている」といった偽情報や募金詐欺とみられる投稿も相次ぐ。』別の記事です。『「足が挟まって動けません」「助けてください」。Xではそんな投稿が広がった。住所は石川県川永市と書かれている。ところが同県内にそんな名前の市は存在しない。東日本大震災の津波の動画を加工したとみられる映像を、今回の地震による津波のように紹介している投稿もあった。』東京大学大学院総合防災情報研究センターの関谷直也教授はこう言います。『SNSは正しい情報が流通する場所ではない、という認識を持つことが重要』『[流言は智者に止まる]という格言があるように、賢い人はうわさ話や裏を取れない情報を広めない。まずは本当なのかと疑い、確認が取れるまでは拡散しないことが大切』これは今、自分たちでも立ち止まって考えることの出来る話です。二つめの話です。年末、かつての教え子から連絡がありました。コロナの影響で、この教え子の会社も業績が悪化。倒産寸前までいったそうです。幾つかの部署を無くして整理をする、その対象に教え子の部署もなってしまい、このままでは失業だとなった。ところが、彼は別の部署の部長から引っ張られて、失業せずに済んだそうです。一度も一緒に仕事をした事がなかったその部長に、「なぜ、私を?」と聞いたところ、部長はこう答えたそうです。「君の仕事ぶりは知らないが、君は常に誰に対してもきちんと挨拶をしていた。その姿勢が気に入った!」そんな事もあるのですね。最後に三つめの話。「Lemon」という名曲を書いた米津玄師さんが、新聞のインタビューでコロナ禍を振り返っています。彼はこう言っています。「自分のため」だけにやっていくことの空虚さに気づき、「人のため」に何かできることはないかと考えた。「STRAY SHEEP」というアルバムを発表する前に、このことを強く意識されたそうです。さて、皆さん。3年生の多くは直前に迫った共通テストに向けて、そして入試本番に向けて最後の追い込みです。2年生1年生の皆さんも3学期は短い。悔いの残らないように取り組んでください。挨拶をしっかりとして、今できる事に一所懸命に取り組んで、そして、「人のために」「誰かのために」頑張りましょう。以上で、3学期始業式の私の話を終わります。〉
今回もしっかりと話を聞いてくれ、内容が内容なので控えめな拍手をしてくれました。式の後は恒例のクラブ表彰。今回は体操部・陸上競技部・ESS部の皆を表彰することが出来ました。