校長だより

2学期終業式

本日、2学期の終業式を体育館で挙行しました。エアコンを入れて少しでも寒さを和らげて。私からは、以下のような話をしました。

「皆さん、おはようございます。皆さんにとって、2023年はどんな年でしたか。私にとっては、今年は15年振りに師匠(メンター)と呼べる人に会えたのが嬉しかったですね。その方は、神戸女学院大学名誉教授の内田樹さん。今年の1月末、15年振りにお会いして、お話をする機会がありました。その時、話になったのは、学力について。内田さんは言います。『学力とは、テストで何点取ったとかではないですよ。学力とは、学ぶ力。それは三つの側面があります。』ここから先は、進路資料集の巻頭言でも紹介していますが、内田さんはこう言っておられます。『学ぶ力には三つの条件があります。第一は自分自身に対する不全感。自分が非力で無知で、まだまだ多くのものが欠けている。だから、この欠如を埋めなくてはならないという飢餓感を持つこと。第二は、その欠如を埋めてくれる『メンター(先達)』を探し当てられる能力。メンターは身近な人でもいいし、外国人でも、故人でも、本や映画の中の人でもいい。生涯にわたる師でなく、ただある場所から別の場所に案内してくれるだけの『渡し守』のような人でもいい。自分を一歩先に連れて行ってくれる人はすべて大切なメンターです。第三がオープンマインド。人をして『教える気にさせる』力です。素直さと言ってもいいし、もっと平たく『愛嬌』と言ってもいい。この三つの条件をまとめると、『学びたいことがあります。教えてください。お願いします』という文になります。これが〈学びのマジックワード〉です。これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長することができる。この言葉を惜しむ人は学ぶことができません。』なるほどと思いました。ひとつめの不全感ですが、これはどうすれば自分の中で育つか。逆説的ですが、それは知ることです。新聞や書物からいろいろ知る。すると、『こんなことも知らなかったのか。自分はまだまだ知らないことが多い』となります。二つ目はこれから皆さんがたくさん出会う人や書物や映像の中で見つけてください。私も師匠(メンター)が居ます。内田さんもそうですが、一番の師匠は、私が大学時代から介護に入っていた一種一級の脳性まひの寝たきりの障がい者。小学校にも行かれてませんが、その方からたくさんのことを学びました。皆さんもぜひ、師匠、メンターを見つけてください。そして、素直に教えてほしいと言えるようになると万全。そんな事を考える一年でした。今年最後に、学ぶ力とは何かという話をしました。年末年始は生活習慣が乱れがち。三年は最後の追い込みをかける人も多いでしょう。どうか、体調管理に気を付けて、3学期1月9日には、皆さんの元気な顔を見せてください。」

生徒の皆さんはしっかりと聞いてくれて、最後に拍手もくれました。ありがとう!式辞の後は、クラブ表彰。サッカー部・剣道部・ハンドボール部・ソフトボール部・ジャズダンス部・男子ソフトテニス部・書道部・女子硬式テニス部、今回も多くの部活動が表彰状やトロフィーをいただきました。そして情報科からポスターセッションの優秀者への表彰も行いました。なお、今回表彰した部活の中からは、女子硬式テニス部が来年の近畿公立高校テニス大会に団体と個人で出場。書道部が来年度の第44回近畿高等学校総合文化祭に大阪代表として作品を出品します。

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