校長だより

修学旅行Ⅱ

話が前後しますが、先週の段階で修学旅行に行く生徒たちのしおりに、以下のような校長からの文章を載せました。

「52期生の皆さん、いよいよ沖縄への修学旅行に出発です。今回の修学旅行では、民泊や体験学習を実施します。新型コロナウイルス感染が減りませんが、感染対策にしっかり取り組んで、民泊や体験学習を楽しんでください。以前、2月初めの沖縄を訪れたことがあります。那覇空港で飛行機から降りたったとたん、半袖のポロシャツで良かったなあと思うほどの気温。「抜けるような青空」という表現そのものの空とエメラルドグリーンに輝く海。遠浅の海岸の水質は、今まで見たことのないくらい澄んだものでした。夜は、「そうか、星とはこんなにたくさん見えるものだったのか」と感動しました。レンタカーを借りてのドライブでしたが、空港から少し走った道路の両脇がアメリカ軍基地で、頭上を軍用機が爆音を響かせ通り過ぎ、信号待ちでは隣に米兵と思しき男性が運転する車が停まりました。沖縄の人にとって基地は本当にすぐそばにあることを実感しました。暖かな亜熱帯の海に育まれた景観や多種多様な生物群。専門家も、琉球諸島ほど素晴らしい自然環境に恵まれた海域は類をみないと言います。また、琉球諸島全体で400種を超えるといわれるサンゴたちの形づくる景観とそこに群れる熱帯魚が織りなす絶景は、世界の海を潜ってきた経験豊富なダイバーでさえもが驚きと感動の声を上げるそうです。今回の修学旅行では、ここでなければ体験できない自然にいっぱい触れることが出来るでしょう。また、沖縄独自の文化も感じてください。「許す文化」「争いを好まない文化」を持つと言われる沖縄は今からほんの150年程前まで琉球王国という別の国でした。食文化や音楽、工芸などを通じて、また現地で出会った方々と触れ合うことで琉球文化を感じて欲しいと思います。残念なことに令和元年10月31日に沖縄の人たちの心の拠り所であった首里城が焼失してしまいました。火災の半年前に復元作業が終わったばかりでしたので、現地の人たちのお気持ちを察すると言葉がありません。そのことも踏まえて、ぜひ沖縄の人たちと交流してください。最後になりましたが、沖縄で忘れて欲しくないことは、太平洋戦争末期、今からほんの70年程前に、この地が悲惨な地上戦の舞台となったことです。20万人以上の死者を出し、多くの人生が踏みにじられた歴史があります。そして、今も身近に基地の問題があります。特にここ数年は沖縄の基地の移転問題が起きています。沖縄には戦争と基地にまつわる現在まで続く辛い事実があることを、同じ日本に住む者として、知っておいてください。そして自分は何が出来るかも考えてください。それでは、素晴らしい自然や文化、そして人との出会いを楽しんでください。」

このメッセージを読んでくれた三島高生は、しっかりと沖縄を体験してくれたのではないでしょうか。

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